伊豆大島(三原山)の測距連続観測結果等
概要
- 伊豆大島は、全国に110ある活火山の1つであり、火山噴火予知連絡会によって「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」として位置づけられています。
- 20世紀以降では、およそ30~40年間隔で中規模噴火が発生しており、前回の噴火(1986年)から30年以上経過していることを考慮すると、次回の噴火に備えておく必要があります。
- このため、国土地理院では、水準測量、GNSS、トータルステーション、干渉SARによる地殻変動の観測、相対重力計を用いた重力変化の観測を実施し、火山活動を監視しています。
- 最近では、平成24年(2012年)と平成20年(2008年)に水準と重力のキャンペーン観測を実施しました。
観測点
観測結果
自動測距測角装置
- 元町上山(うわやま)に設置したトータルステーションによる測距連続観測の結果です。
- 画像をクリックするとpdfファイルをダウンロードできます(約300KB)。上側が長期間(最近5年間)、下側が短期間(最近1年間)です。
- グラフ上の黒丸⚫は夜間の5回観測(20、22、0、2、4時)における3個以上の観測値の平均値、白丸○は2個以下の観測値の平均値を示します。
- 最新の観測データに自動更新しています。
1番~4番ミラー基線 | 5番~8番ミラー基線 | 9番~11番ミラー基線 |
干渉SAR
- 干渉SARの解析結果からは、面的に地殻変動の様子を知ることができます。
水準測量
- 水準と重力に関して、平成24年(2012年)の観測結果を平成20年(2008年)の結果と比較しました。
- 平成20年の観測結果と比較するとカルデラ内で沈降が見られます。
- 島の東北部及び南西部で隆起が見られます。
上下変動 2008年~2012年
重力変化の観測
- 水準と重力に関して、平成24年(2012年)の観測結果を平成20年(2008年)の結果と比較しました。
- 中央火口近傍で20~40マイクロガルの増加が見られます。
- カルデラ内の北東部(大島温泉付近)で30マイクロガル程度の減少が見られます。
重力変化 2008年~2012年
説明
一般的に、地面が1cm下がると重力は約3マイクロガル増加します。中央火口近傍でみられる重力の増加は、重力観測に伴う誤差(10マイクロガル程度)を考慮すれば、地面の沈降に伴うものと考えられます。しかし、カルデラ内の北東部での重力減少は、地面の上下変化では説明できません。地下水の季節変化などの影響が考えられます。
参考
第125回火山噴火予知連絡会資料(外部ページ、別ウィンドウで開きます。)(水準と重力データが掲載されています。) 第151回火山噴火予知連絡会資料 (外部ページ、別ウィンドウで開きます。)(測距のデータが掲載されています。)